本記事は、私がビジネスの場で成果を上げていくために実践していた目標設定やマネジメント・育成の考え方について、最近勤しんでいるダイエット(ボクシング)での例も交えてまとめております。主に以下の方を対象としておりますが、読んでくださる方が前へ動き出すきっかけの一つになれれば幸いです。
- 20代~30代前半でくすぶっているビジネスマン
- 育成の壁にぶつかっているマネージャー/リーダー
- 子どもへの教育や接し方に悩んでいるパパ
目標到達を大きく左右する環境の選択
環境(どこでやるのか、誰とやるのか)は、人の成長や成功に大きな影響を及ぼすものだと考えています。
どんな環境であれ、いかにセルフPDCAを回して登っていくかがキモにはなるのですが、目標に到達するまでの過程には無数の障壁や誘惑があると思います。
具体的には、失敗の繰り返しにより自信を喪失してしまうケース、楽な方へ導く弱い自分の誘惑から行動自体を止めてしまうケース、行動はし続けているが、成長に鈍化を感じるケース等様々だと思います。
こうした障壁や誘惑により目標を見失い、脱線してしまいそうな自分を支援するツールの一つが環境なのではないかと考えています。
成果を上げたい/短期で成長したい、または弱い自分に勝てないことが多い人は、環境を選択する際に「必要最低条件を満たす環境」であるか以外に下記の2点を意識して環境を選択されると良いのではないかと思います。
- 目標対象が間近にいる環境かどうか
- 同じような目標を持っている人がいるかどうか
前者については、主に模倣できること、到達者目線の話を聞くことができることにより、成長速度や角度を高める効果が期待できます。後者については、短期的な目標の設定ができること、近しい境遇にいる他人の刺激をダイレクトに受けられることにより、脱線を抑止する(目標を見失わずに行動し続ける)効果が期待できます。
「模倣」が成長促進剤
最も効果的な成長促進剤は「模倣」だと思います。賢い人ほど自分の知識や経験則の範囲内で考え、自分で何とかしようとする傾向にあると思います。これも間違えではないと思いますが、結果的に考える時間が長くなりアクションが遅れてしまう点、視野が広がらない点から成果を出せる確度が低く、速度も遅くなってしまう=成長が鈍化してしまう可能性が高いと思います。(私自身考えて納得しないと行動できないタイプでした)
成果を出している人には、どこかに成果を出している理由あるはずです。ただ、なぜ結果を出せたのかを体系的に聞き出すことは困難なことが多いと思いますし、聞き出せたとしても、同じことをやってすべてうまくいくとは限りません。確立された理論に基づいて行動して結果がだせるのであれば、だれでも成果を出せるようになります。その中で差が出るのは、そうした理論や先人の知恵を参考にしながらも、その時々で発生する壁に対して、自分なりにトライアンドエラーを繰り返して”個”に応じた伸ばし方を見出せるかどうかだと思います。
“個”も含めモノやコトを理解するためには、比較が必要です。比較するためには、当たり前ですが比較対象が必要となります。この比較対象を複数もつことで、違いが浮き彫りになり、”個”に適したやり方を見出しやすくなると考えています。「トライ」しないと始まりませんし、多数「トライ」しないと”個”に適したやり方を見出すこともできません。「模倣」は素直ささえあれば、今すぐ誰にでもできる「トライ」だと思います。
目標地点に到達した人やそれに近い人が近くにいるなら「分析」⇒「行動」のプロセスから「行動(模倣)」⇒「分析」のプロセスに変えてみると新たな気づきや成長が得られるかもしれません。
ボクシングでの応用
ボクシングでも上記と同じ考えに基づいて、下記の2点から協栄新宿ボクシングジムを選びました。
- トレーナーに複数の元日本チャンピオンがいる
- プロ(チャンピオン)を目指している人も多いと思われる
時間も移動費もほぼかからない自宅から近いジムも検討しました。時間(約1時間/日)とお金(数千円/月)の節約 vs プラスアルファで得られる可能性のある「見えない価値」との天秤です。
結果として、私は時間も含めた「コスト」よりも「見えない価値」に対して自己投資をしています。投資したからには回収したいので、この天秤と選択には、自分に拍車をかける意味での副次的な効果もあるかもしれません。
前の記事で書いた通り、想定以上に身体も動かず、ケガも多く、習得速度も遅いため、ボクシングを始めて1年経過しますが、苦戦続きです。仕事の都合で練習を一時的に休んでしまったこともあり、トレーナーに辞めてしまえと言われたこともあります。
感情的になった時こそ俯瞰
仕事の優先度は落とせないし、こんな心ない言葉を言われる筋合いはない。移動時間が減れば練習にいけるのでは?と、ジムを変えることも考えたことがありますが、今のところ環境は変えていません。
何か嫌なことがあった時はつい感情的になり、視野が狭くなってしまうものだと思います。このケースもその典型でした。年齢制限まであと2年しかないおっさんがプロになりたいと言うから熱心に教えているのに「忙しくて練習にいけていない」なんて、、相手からするとふざけるのも大概にしろ。ですよね。一時の感情や自分本位の狭い視野に基づいた判断にならないように、何かを決めるときは、必ず一度次の3点を俯瞰するように意識しています。
1つは上記の通り、相手や周囲の立場で考えることです。そうすることで自分本位の危険な部分が見えてくることがあります。2つ目は動機や目標の再確認です。動機は「楽しく充実した時間を過ごすこと」「成長へ寄与すること」「動き出すきっかけを創ること」でした。目標は「練習を続けること」ではなく「プロになり、チャンピオンになること」です。過去(動機)、現在(選択肢)、未来(目標)を結んで、今取るべき行動を俯瞰して考えます。3つ目は原因・課題の特定です。この時に意識しているのは、客観でみること(物理的な障壁(時間等)や自分の感情は置いておく)、”なぜ”を3回繰り返すこと、自分を疑うことなどです。
自分の目線で考えると、どうしても自分以外の他に課題を向けたくなってしまいます。また、理由も一度の深堀りだと根本的な課題にたどり着かないことが多いため、自分なりに考えた理由の理由のさらにその理由まで考えることでできる限り根本にある原因を探るようにしています。他人を変えることは自分を変えるよりも相当難しいです。環境は変えられますが、根本的な解決に至らないことも多いです。このように根本的な課題を特定すること、課題と解決策は自分に向けることが重要なのではないかと感じています。
このように俯瞰して考えることで、本質的な課題は「成長の遅さ」であること、成長しない悪い例になりそうだったこと(自分を正当化するために優位に立てる仕事を武器にしようとしていたこと)が整理できたため、テコ入れするのは自分の時間の使い方にし、環境は変えない判断をしました。
感情的になりそうな時こそ俯瞰して考えてみると、少し違った視点の選択肢が出てくると思います。
このボクシングでは、環境を変えないという選択をしていますが、変えないことが良いとも限りません。
私も仕事においては、2回環境を変えています。環境を選択する際に、別の視点で大切だと感じている点もありますので、私の仕事での経験を例にご紹介できればと思います。
軸を定めて、自分の意志で環境を決める
私は子どもの頃から身近に飲食業の経営者がおり、色々見聞きできる環境で育ちました。そんな中で社会人になるときに決めた一つの目標が『30代で飲食店を経営すること』です。(地点や具体性において指摘事項満載ですが、当時の私にはこれで一杯一杯です)
当時から私が興味を持っていたのは、主に職人(プロダクトを創る技術)以外の部分です。継続的に収益が上げ続けるために、自身はプロダクト以外の要素をアレンジできるようになり、職人と組んで経営することをぼんやりと描いていました。
就職活動時に様々な情報に触れ、自己分析を繰り返す中で、企業選びの軸を「市場や業績の伸び」「ベンチャー(できるだけ小規模な組織)」「事業内容(マーケティング/コンサル)」に置き、自分の意志でクロス・マーケティングに就職させていただくことを決めました。相談させていただく人からは、規模が大きく知名度も高い他社を薦められることが多かった気がします。
もし他者のアドバイスに沿って判断していたら、壁にぶつかった時に少なからず他責で考えてしまっていたかもしれません。このタイミングで自分で決めた軸に沿って自ら選択をしたことがブレずに走り続けられている要因の一つなのではないかと感じています。その後、職場環境も変えながら今に至るのですが、その環境の選択においては、以下のポイントが重要なのではないかと感じています。
KPIツリー(マイクロKPI)と連動させて環境を選ぶ
前の記事でKPIツリーの説明をしましたが、成功確度を高めるためには、そのツリーに則って環境も選択していくことが重要なのではないかと考えています。
下記は私の 『30代で飲食店を経営すること』を例に必要な要素を分解したものになります。今の環境でそれぞれの経験を期間内に積むことができるのか、できないのであれば実現できる可能性が高い環境はどこなのかを考え、次に身を置くべき環境を選んでいく必要があると思っています。
職場環境は、10年強の間に2度変えており、それぞれ分解したマイクロKPIの達成のために選択をしてきました。
※実際は走りながら年単位で整理、調整しています
- マーケティングスキル開発 3年:クロス・マーケティング&UNCOVER TRUTH
- コンサルタントの経験を通じて培えるのでは?
└①コンサルタントで成果を出す(要定義) - 実際にモノを売る経験を通じて培えるのでは?
└②営業職成果を出す(要定義)
- コンサルタントの経験を通じて培えるのでは?
- 人や組織を動かすスキル開発 3年:UNCOVER TRUTH
- 人を動かす立場に立つことで培えるのでは?
└③管理職になる(要定義)
- 人を動かす立場に立つことで培えるのでは?
- 事業の立上げ(0⇒1)スキル~グロース(1→10)スキル開発 3年:UNCOVER TRUTH
- 企画、戦略策定、オペレーション構築などすべての経験を積むことで培えるのでは?
└④経営に近い立場になる(要定義)
- 企画、戦略策定、オペレーション構築などすべての経験を積むことで培えるのでは?
- 経営(総合)スキルの定着化、新事業への投資資金蓄積 3年~:U-sta
- 実際に自分で経営することで④の経験をアップデート、体系化できるのでは?
- 家庭もあるので、挑戦時の安心材料も確実に必要
└⑤得意領域で起業する
- 目標の実現 35歳
- ①~⑤を別の事業へ応用させることができるのではないか?
└⑥飲食業/その他別ジャンルで起業
- ①~⑤を別の事業へ応用させることができるのではないか?
上記のように骨格を自分で創った上で環境を選択すること、その骨格のロールモデルとなる人がいる環境を選択することで前を向いて走り続けやすくなると思いますので、冒頭で挙げた「成果を上げたい/短期で成長したい」「または弱い自分に勝てないことが多い」 に該当する人は、参考にしてみていただけたらと思います。