本記事は、私がビジネスの場で成果を上げていくために実践していた目標設定やマネジメント・育成の考え方について、最近勤しんでいるダイエット(ボクシング)での例も交えてまとめております。主に以下の方を対象としておりますが、読んでくださる方が前へ動き出すきっかけの一つになれれば幸いです。

  • 20代~30代前半でくすぶっているビジネスマン
  • 育成の壁にぶつかっているマネージャー/リーダー
  • 子どもへの教育や接し方に悩んでいるパパ

前の記事:短期~中期目標設定、KPIツリーの作成

アクションプランとは

アクションプランは、目標達成に向けた行動計画です。 前の記事からのおさらいですが、手順としては【目標設定】⇒【KPI設定】⇒【アクションプラン】となります。旗を立て(目標設定)、それを取るために欠くことができない要素を分解し、その要素をどれくらい満たす必要があるのかを指標化します(KPI設定)。そして、その指標を達成するための【時間軸】×【具体的行動】に落としこんだ計画がアクションプランになります。この落としこみをすることで、目標達成に向けてやるべき行動が明確になり、途中経過で階段を登っている実感も得られるようになるため、ガス欠を起こしにくくなります。

KPI設計/アクションプラン策定時のポイント

KPIやアクションプランを練る際は、以下のポイントが重要だと考えています。

  1. 内容が明確で計測(定量評価)可能であること
    • 5W1Hで具体化する
  2. 目的変数に対する影響力の大きさを考慮すること
    • 事前情報を元に分析し、関連性やインパクトを確認する
  3. 実現可能な内容であること
  4. 期限が設定されていること
    • 時間軸に合わせて複数階段を作る
  5. 現場寄りのキーマンも巻き込むこと

私自身仕事ではセールス、及びオペレーションのチームで現場、管理者、アドバイザーの経験をしてきましたが、その中で1は考慮できているものの、2~5の考慮不足により、うまくチームや個人のパフォーマンスを発揮させられていないケースがあるように思います。ここも踏まえて設計ができるかどうかで、組織や人(自分自身も)のモチベーションや行動が大きく変わってくるため、もれなく考慮すべきと考えています。

達成に導くためのデータ活用

「2. 目的変数に対する影響力の大きさを考慮する」「3. 実現可能な内容とする」ためには、データを有効活用する必要があります。売上に紐づくKPIは一般的となっているため、KPI指標を整理するのは比較的容易だと思いますが、その中でどの指標を注力すべきなのか、どれくらい上げる必要があるのかを決定するためには、過去の状況を振り返る必要があります。指標と目標値の設定時は、各種指標のトレンド、それに紐づく取組み内容と成果、人員計画などを踏まえて「達成に向けた具体アクションが可能でインパクトが見込める指標」で「高くはあるが、達成可能なライン」に設定する必要があります。ここを皮算用で機械的に決めてしまうと、カリスマ的なリーダーでもない限り、目標達成もできなければ、誰もついてこない状況に陥ってしまいます。

自己肯定と活力を生み出すステップの設置

4の「時間軸に合わせて複数階段を作る」は、特に個人のパフォーマンスを高めていくうえで重要だと感じています。小さくてもいいので「できる」体験が自己肯定を生み、前に進む活力になると感じているからです。
毎日10キロ走っている人からすると、1日10キロ走ることも、毎日走るのも当たり前で容易な行動だと思います。しかし、運動の習慣がない人は、3ヶ月間1キロでもいいから毎日れと言われても達成確度はかなり低いと思います。3ヶ月間週に1日回10キロ走れと言っても同じだと思います。(仮に1週目はできたとしても2週目、3週目でやらなくなってしまうと思います)これがステップがない場合の例ですが、意外とこのように行動目標の設定をしていることが多い気がしています。

これに対して、極端ですが、初めの1週間は30分×週4回以上のウォーキング、2週目からは30分以上×週4回以上のジョギング、4週目からは5キロ×週4日以上のジョギング、6週目からは8キロ×週4日以上のジョギング、8週目からは8キロ×週6日 ・・・といったようステップを刻むと、やれそうな気がしてくる人が増えると思います。
このように「だったらできそう」と思えるステップを意図的に設定し、小さくてもいいので「できる」体験を積めるようにすること、そしてすぐ次のステップが見える状態にすることもチームや個人のパフォーマンスを高めていくうえで大切な要素の一つではないかと思います。

ステップ設定の実践

これは、メンバーの育成や子育てにおいても共通だと考えています。
私もそうでしたが、つい「なぜできないんだ」とか「いいからやれ」と言葉に出てしまうことがあると思います。今でも瞬発的に出てきてしまうこともあり、自分目線の思考を完全に抑制するは難しいです。。そのため、自分の中でNGワードを決めて頭に叩き込むことで、そのワードが出てしまったときは、必ず一歩引いて、①自分ができるようになった軌跡を思い返し、②相手の現状到達点や心理状態を確認し、③次のステップを考えてみるようにしています。

また、私個人の直近のボクシングの体験では、体力要素のKPIに8キロ/日×週6日のロードワークがあります。開始して1年が経つ今では日々のルーティンに組込めていますが、当初は到底できる気がしませんでした。そこで頻度、距離、ペースで分解してステップとそれぞれの期日を設定をしました。初めは過信でやれると思い、強めで設定したのですが、実際やってみて不可能を実感したため、初期は細分化して短期で目標設定をして行動しました。この時の思考がビジネスにおける人材育成、子どもとの接し方に共通する部分があると感じたため、共通する重要なポイントとしてまとめてみました。
もし、今向き合っているコトに対してモチベーションが上がらない、継続して取り組むことができない状況の方は、このような考動がいい方向に進み続けるきっかけになるかもしれません。

実際に動くリーダーの腹落ちが大きな推進力

過去の上長から人が動く(動いてもらう)ためには【Why(なぜ)】【What(なにを)】【How(どうやって)】が伝わること、そしてその順番が大切だとに教わったことがあります。実際に私自身も人から指示を受ける際になぜかを理解することで、腹落ちして協力的になれることもありますし、背景や理由を相手に伝えることで、協力的に動いてくれる人がいた経験もあるため、【Why】の伝達は意識するようにしています。
「5. 現場寄りのキーマンも巻き込むこと」もこれと同じだと感じています。【What(なにを)】【How(どうやって)】 に相当するKPIとアクションプランが落ちてきただけでは、動く立場の人に腹落ちがないため、能動的な行動は起きにくいものだと思います。また、現場と管理職側持っている情報にも大きな差があるため、現場との間に大きなギャップも起こり得ます。
そのため、 KPI設計やアクションプランの策定時には現場から情報を吸い上げ、コミュニケーションを取ること【Why】を浸透させ、同じベクトルで進める状態をつくることも目標達成に繋がる大きなポイントの一つなのではないかと思います。

継続力、成長を左右する環境の選択

本記事では、成果を上げていくための計画の立て方についてまとめさせていただきました。
成果を出していくためには、上記のような考え方の他に環境の選択も重要な要素の一つだと考えています。次の記事では環境選択時の考え方についてまとめさせていただきます。

次の記事:自分を成長させる環境の選び方と考え方